2015年1月17日土曜日

記)紙一重


紙一枚の厚さほどのわずかな違いで
白黒がわかれるような出来事は数多く
その紙一枚のわずかな違いを無意識に選択して
日々は成りたっているようです

さて 紙にも厚さがいろいろあります
以前土佐へ赴いた際にであった
仁淀川の近くで漉かれる典具帖紙
それはそれは薄く丈夫な紙です

ー小林良生『和紙博物誌◉暮らしのなかの紙文化(淡交社)
この典具帖紙が極薄の紙として漉ける条件を満たすのは、
厳密な原料処理と紙料を回流させる激しい揺れを伴う抄紙法にある。
原料はコウゾのうちでもアカソ(赤楮)、キイソ(黄楮)の内皮の本晒しを用い、
消石灰で蒸解し、天日漂白を行い、長繊維の絡み合わせをさせるために入念な精錬を行ったものを用いる。
完全にヘミセルロースを除き、繊維ばかりにするのが第一のコツ。
第二のコツは軽業師のような迅速さで常に簀桁を揺り動かし、一本一本の繊維に
相互の絡み合いを形成させるという抄紙技法を取ること。


日々の「紙一重」
確実な眼と技が問われます


2015.1.17






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